ラ・ママ創立40周年を飾る最終シーズン・イベントの一つとして、2002年6月13日から30日までの3週間(木曜日〜日曜日)ラ・ママ・ラ・ギャラリアにて、寺山修司氏と東由多加氏の公演に着目した回顧展を催します。この回顧展では、ラ・ママ・アーカイブに保存されている彼らの公演のビデオを上演致します。

この回顧展の製作メンバーとして、当時、彼らと共に舞台創作を手がけたスタッフが協力をし、展示空間の演出を行います。展示物のなかには、彼らがエレン・スチュワートに宛た直筆の手紙、オリジナル・ポスター、写真、スライド、舞台美術一部などが出典されます。また、その他には、寺山修司記念館からの協力を得て、当時、ラ・ママでの天井桟敷プロダクションに関する公演資料が出典される予定です。尚、この回顧展で上演される公演映像の一部には、秘蔵映像が含まれており、アメリカでは、彼らの没後、初の試みとなります。

回顧展の指揮をエレン・スチュワートが努め、彼らとの出会いから、当時の舞台演出時の秘話まで、彼らとの想い出などが彼女から語られる予定です。そして、特別ゲストとして、寺山修司率いる天井桟敷プロダクション、プロデュサーの九條今日子女史、並びに、海外公演に同行した読売新聞社の北川氏を日本から招き、当時の文化芸術交流間で起ったエピソード、また、時代背景からみたアメリカでの日本前衛演劇の受けとらわれかたなど体験に基ずいた講義を予定しています。(これに付随して、来訪客から質問などがあればQ&A セッションを行います。)

同劇場、専属美術デザイナーであり、当時この二人の演出家と共に舞台製作をした前田ジュンが、回顧展での空間デザインを手がけます。並びに、現在、同劇場のアーカイビストであり、当時、寺山氏の舞台に役者として出演したオージー・ロドリゲスが、キューレイターとしてこの回顧展に参加します。