東京六本木のレコードショップで突然レコードジャックがおきる。かたっぱしからレコードを抜き取っていく数人の若い男女。その騒ぎの中でタカマサは一人の少女ジュンと知りあう。それから・・・・。酒場でめぐり合う娼婦。タカマサはそこに、青春の過ぎ去った後に吹きさらされる人生を見る。哀しくもなく、すべるように過ぎていく青春。それはまたタカマサ自身の姿でもあった。セピア色の古い記念写真のように後もどりした時をくぐりぬけて。いつしかタカマサは、あの少女ジュンを愛し始めていることに気づく・・・・。レコードジャックの少年達が黒いマシーンをきらめかせて暗闇に消えていったあの夜から、すでに二人の内には何かが始まっていたのだ。それが愛だと気づく、ずっと以前から・・・・。雪が降りはじめる。森の中ではライダー達のロックコンサートが行われる。おそいかかる少年達。ヘアピンサーカス。改造銃を握りしめるタカマサ。そしてジュン。一瞬の内の終局。改造銃が暴発し、タカマサは死ぬ。立ち尽すジュン。泣いてはいない。これが最後の冬でもあるかのように雪空に、いっせいに舞い上る野鳥の群れ!ジュンがつぶやく。「・・・・あの鳥達は・・・・ピーターソンの何頁に?」
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