<彼>と演出家と作曲家の3人は、彼らのSHOWの成功で、しだいに有名になっていく。若い野心に燃えた男たち。だが、互いの才能を必要としながら、全くあい入れる性格と考え方で、しだいに亀裂を生じていく。そこへ女優志願の美しい少女が現れて、<彼>はその少女に恋する。演出家は、その少女を<彼>の反対(まだ未熟だという理由で)を押し切って、新しいSHOWのヒロインに抜擢する。<彼>は、リハーサル中にミスをかさねる少女を激情のあまり罵倒する。<彼>は、愛しながら少女を傷つけている自分に茫然とする。少女は作曲家に心をひかれていく。演出家に自分の苦悩を告げると、演出家は、「誰かを愛しても、愛されるとは限らない。俺がお前を愛しているように」夕日のさしこむリハーサル室で二人は抱き合う。<彼>は泣いている。ドレスリハーサルが終わって、帰り道の街角で、作曲家に少女を奪わないでくれと頼む。作曲家は微笑して、何も言わずに去ってゆく。ふりしきる雪の中に立ちすくむ<彼>の目には、小さな狂気の炎が燃えている。初日の幕が開くまえに、<彼>を愛している女から、演出家が少女を犯したことを告げられる。演出家につめよるが、子供のように舞台におしだされる。<彼>はクライマックスで愛の言葉を語りながら、少女を扼殺する。
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