心は二つの海

　

STORY

　

万平はレストランのコックである。婚約者の友子は、二人で小さなレストランを開業できる資金を貯めるまでは

結婚しないと宣言していた。万平には竜夫という、同郷の親友がいた。竜夫はギャンブルや女、

時にはあやしげな事業に手を出しては借金をかかえ、その度に万平は友子に内緒でお金を用立てる

のだった。そして、ある日、ついにその事が友子に見つかり、万平は二度としない約束する。

友子の兄の俊一は、いわゆるバツイチで結婚はコリゴリだといっているが、

どうやらレストランのブラジルから出稼ぎに来ている日系２世のマルシアを好きらしい。

そして万平の妹のよし子は中高時代のイジメの後遺症で自閉症気味だが、何故か

竜夫にだけは心を許すのだった。

万平のレストランには見習いのコックの守、ウエイトレスの望が働いている。

常連の客は新興宗教らしきものに熱心な治、何を考えているかわからない一見ボーッとしているが

毎日曜日に老人介護施設にボランティアにいく裕介、竜夫のあとをついてまわるツトム、

ローン地獄におちいっている加代などがいた。

ある日、竜夫が閉店したレストランにやってきて、命にかかわる借金２００万を万平に頼む。

だが万平は断るしかなかった。

そしてある日、彼らは皆んなで海水浴に行くことになった。

そこへ竜夫を追って暴力団員らしい男が現れ竜夫を拉致しようとする。そして竜夫は・・・・・・

　

SONG

心はふたつの海

　

旅立つ人はデッキの上

見送る人は堤防を走る

丘のカモメは見守って

空のカモメは風を追う

ふたつの心が別れていく

海へ捨てた恋は生まれかわり

浜辺へ置いた心は夢を待つ

　

旅立つ人は心揺らし

見送る人は思い返す

丘のカモメは鳴きやまず

空のカモメは羽根やすめ

ふたつの心が流れていく

海へあずけた明日を忘れ去り

浜辺の足跡はあの日に帰る

　

旅立つ人は花を咲かせ

見送るひとは種を蒔く

丘のカモメは飛び交い

空のカモメは波に漂う

ふたつの心が愛を知る

海は果てぬ思いに手招きし

浜辺は誰かに道をつくる

　

心はふたつの海だから・・・・・・

心はふたつの海だから・・・・・・

　

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